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読書の日々(内藤泰弘 『血界戦線3 ―震撃の血槌―』) [読書]

 魔物の跳梁跋扈するヘルサレムズ・ロットという魔界都市を舞台に、世界の平和を守る秘密結社、ライブラの活動を描いたアクション伝奇漫画。作者の内藤泰弘先生曰く、「技名を叫んでから殴る漫画」だそうで、言ってみれば『聖闘士星矢』みたいな、仲間と敵がいっぱい出てきてゴチャゴチャ戦いあうというバトル漫画だろう。
 無印トライガンのころによくあった、ほんのりギャグ・あとバトルみたいな話の構成と、『エイリアン』みたいなモンスターが日常生活・登場人物として溶け込んでいる画力の凄みがこの漫画の良さであり、内藤ファンは必見である。例えば、「Day In Day Out」という回では、ライブラの構成員・ザップが猫探しの道中で「ネゴ」というモンスターに出くわすのだが…、これが気持ち悪くて笑える。
 まだ序盤にある所為なのかもしれないが、物語の展開は今回も大きくは動かない。暫くは1話きりのボスキャラ倒しと、味方・敵キャラの紹介話で進んでいきそうな気がする。
 内藤先生のtwitterによると、チェイン・皇の表紙には何かツッコミどころのあるネタがしこまれてるらしい。「クラスタ重ならな過ぎ」って何だろう。そして、「血界ツーシン」という後書き漫画では、3.11以降の日本に対する内藤先生の決意が描かれている。

血界戦線 3 ―震撃の血槌― (ジャンプコミックス)

血界戦線 3 ―震撃の血槌― (ジャンプコミックス)

  • 作者: 内藤 泰弘
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/05/02
  • メディア: コミック



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読書の日々 (山口真美 『美人は得をするか 「顔」学入門』) [読書]

 本書は、顔に関する雑多な蘊蓄を書いた軽い内容の新書である。
日本人は人の顔を記憶するのに瞼の一重と二重を気にする、女らしさの顔の特徴は上唇が薄く眉山が外側にあり、眉の縦幅・面積が狭く小さく眉尻が下がっていると言う。また、美人の顔の1つに左右対称顔があるが、平均的な顔に人間は馴染みを感じることが多く、魅力があるということにつながるらしい。
 タイトルにある、「美人は得をするか云々」というとについては本書では触れていないので、その方面の内容を期待しているのであれば、立ち読みで済ませたほうがいいと思う。そもそも、状況や所属する集団において美人は得も損もすることがある、当たり前のことである。

美人は得をするか 「顔」学入門 (集英社新書)

美人は得をするか 「顔」学入門 (集英社新書)

  • 作者: 山口 真美
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/09/17
  • メディア: 新書



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読書の日々 (渡辺靖 『アメリカン・デモクラシーの逆説』) [読書]

 アメリカン・デモクラシーといえば、正義・自由・平等・多文化・個人主義を実現する政治体制とか社会なんてことを頭に思い浮かべる。で、本書はその「逆説」とタイトルで謳っているだけあって、見た目の素晴らしさとは裏腹に厄介な問題や矛盾を抱えていたり、逆に「反米」という主義主張も当事者に都合よく使われている現実もあるという話。
 本書が指摘するように、現代のアメリカ社会はかなり箍が外れた状態である。例えば1980年代以降には結婚前に財産の割り振りや互いの義務、責任の所在を明確にする婚前契約書の作成が増加しているという。またロサンゼルスの郊外には、超富裕層のために防犯性を向上させた、ゲーテッド・コミュニティと呼ばれる警備員・フェンス付きの屋敷町があると言う。周囲を拒絶する「壁」はさながら中世の要塞のようであり、デモクラシーが進歩した筈のアメリカ社会で一種の退行的な現象が起きているというのは皮肉でしかない。
 2010年に刊行されているだけあって、ここ2~3年のオバマ政権の、アメリカの理想と伝統への回帰という指摘は、確かにリンカーン大統領の言葉とかアイテムとかを使ったりしてることを思い出したりして個人的に興味深かった。また、新書のため、情報量の少なさや論拠が弱いといころがあると思う。同じような問題を扱っている、ちょっと昔の本では、ジョック・ヤングの『排除型社会』を読むといいかもしれない。

アメリカン・デモクラシーの逆説 (岩波新書)

アメリカン・デモクラシーの逆説 (岩波新書)

  • 作者: 渡辺 靖
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/10/21
  • メディア: 新書



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読書の日々 (小泉武夫 『鯨は国を助く』) [読書]

 発酵・醸造学の権威、小泉武夫教授の鯨への熱い想いが書かれた一冊。日本の鯨食文化を擁護する立場から、捕鯨の歴史、鯨類の資源量、現行の捕鯨問題の内実、鯨肉の栄養まで当に鯨一色である。
 俺の意見からすれば、鯨肉はフランス料理でいうジビエみたいなもの。IWCで認められている枠内の調査捕鯨が継続可能であれば問題はないだろう。一方で、鯨類の希少種を維持する必要があるという考え方は理解できるから、鯨類という種の保存に関しては科学的・客観的に扱って欲しいということだ。
 ただ捕鯨問題は、政治やビジネスの思惑で左右されているという底の浅さがあり、アメリカやオーストラリアが畜肉生産国であることからも関連があるのは間違いがないと思われる。
 さて、興味深いのは第4章の192pから記述されている「反捕鯨国の国民は捕鯨に反対しているか」というところ。アメリカのCNNとイギリスのBBCが2002年にインターネットで世論調査をしたところ、それぞれ6割を超える国民が商業捕鯨の再導入に賛成しているという。シー・シェパードのような過激な人々は英米でもマイノリティのようである。
 鯨といえば給食の竜田揚げ。缶詰の大和煮。肉は赤身で牛や豚よりもサッパリとして美味しかったという記憶がある。小泉教授によると、鯨肉にはバレニンという成分が豊富に含まれており、疲労回復や持久力アップに効果があるという。そして、小泉教授がおすすめする、美味しい鯨の食べ方がまた食欲をそそる。曰く、教授が最後の晩餐に食べたい料理は鯨のペッパーステーキ丼。以下にレシピを書いた文章を217pより引用する。
 赤身を一センチぐらいの厚さでハガキ大に切って、フライパンに油をちょっと落として、まず片面をシャーっと焼く。大体三〇秒ほどすると焼き面が白くなるから、それをひっくり返してさらに三〇秒ほど焼く。そうすると、表面は白くなっているけれど、中はほぼレア状態。そこに思いっきり胡椒を多めに振りかけるのだ。胡椒もガリガリ引くような良い胡椒ではなく、安いテーブル胡椒のほうが美味い。
 その上から醤油をジャーッと加え、一〇秒くらい焼く。それを皿にとって、ナイフで切り分ける。別に丼に炊き立ての熱いご飯を七分目ぐらい入れておき、そこに出てきたタレごとペッパーステーキをドンとのっけて出来上がり。横に熱い番茶を置いて、食べはじめる。

インターネットで探してみると100gで500円が鯨肉の相場のようである。泡銭が手に入ったら鯨肉を食いまくろうかと思う今日この頃である。


鯨は国を助く

鯨は国を助く

  • 作者: 小泉 武夫
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/04/01
  • メディア: 単行本



タグ:小泉武夫
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読書の日々 (キャロル・オフ 『チョコレートの真実』) [読書]

 昨日は三連休の最終日。朝からセルリアンブルーの快晴で、久々のテルテル坊主は作り方を間違えてしまったようだ。じゃぁ出かけるのか、と言えば昨日は夕方まで一日競馬三昧で、家にいようがいまいが土日にすることは一緒である。
 今日の収穫は一日やって勝ったり負けたりで、大きいのはこれだけだ。
京都記念2011.jpg
昨日の大やけどがひどくて、最終Rを終わってちょっと勝った程度で残念である。
 夕食前に地元のショッピングモールに買い物に行くと、あちこちから耳にしたことのあるメロディーが流れてきた。あ、「バレンタイン・キッス」は国生さゆりの声ではないのかと思っていたが、あとでネットで調べたらAKB48のカヴァーソングだったみたい。いずれにせよ秋元康なんだから誰が歌おうと関係はない。で、試しに某有名ショコラブランドのショップの側に行くと、女性の山々が48人はいたようであり(笑)、あーそうか、明日はバレンタインデーなんだなぁと実感した次第。このイベントはお菓子業界の陰謀であり、また21世紀の日本で行われる最大の物々交換イベント。どのみち来月にはホワイトデーとか言う返却イベントが待っているわけで、ショコラをもらえない僻みだろとか言われても、俺は別にいいよという感じである。
 というのも、最近「チョコレートの真実」という、とても苦い本を読んだからである。この本が伝える事実は、結局ショコラの原料のカカオ豆は、原産国である中南米のマヤ・アステカ文明の頃から金と変わらない価値を持ち、奴隷が生産して上流階級の人間が食べるという搾取の歴史を連綿と続けてきたのである。
 大体食い物は地産地消が原則であり、お取り寄せをするコストが高ければ高いほど俺達が買うときにはべらぼうな金額に跳ね上がりセレブしか味わえない食品になる。カカオ豆を原料とするショコラはコートジボワール、インドネシア、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンで世界の生産の9割を占めるそうで、要はカカオの生育にはあるレベル以上の温暖な気候が必要ということらしい。
 で、アフリカとアジアの一部でしか生産されていないカカオ豆で作られるショコラが何故安く食えるのかといえば、植民地時代のかつての宗主国とショコラ企業、産地の汚れた蜜月が長く続いた結果である。カカオ豆の末端の生産者は幼い少年が多く、彼らがショコラを食べることは無い。そして、その労働環境の劣悪さとはかけ離れた、あまりに安い賃金を考えると本当に悲惨だ。そもそもカカオ豆も先物取引の対象なので、単純な農作物とはわけが違うのである。
 じゃぁ、ショコラを食べたい人はどうすりゃいいのか?と言われると、1つにはフェアトレードと言う、カカオ農家にある程度ましな利益を分配するような仕組みがあるみたいだ。このような試みから、ショコラの未来も苦いものだけでは無いということを知って少し安心した次第である。

チョコレートの真実 [DIPシリーズ]

チョコレートの真実 [DIPシリーズ]

  • 作者: キャロル・オフ
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2007/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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読書の日々 (平松洋子 『買えない味』) [読書]

 外食産業やコンビニの飯は基本的に美味くないと思う。安い値段のものは特にそうで、料理をする人間の腕の問題とは異なる部分、特に材料費を抑えていたり、調理時間の工程を減らしているためなんだろう。
 スローフード・スローライフという言葉と似ているのだろうが、平松洋子の『買えない味』は、当たり前の食卓について考えさせてくれる名エッセイである。まぁ、幸田文が食いしん坊だったら、こんな静謐で素朴で力強く「食い物」について書くのかもしれない。例えば、「風 肉、魚、野菜、果物を干す」というエッセイは八代亜紀のあの歌を引用しつつ、以下のようにある。
 焙ったイカも、蛍烏賊を乾かしたのも、どちらも風のお世話になっております。干して、乾いて、水分の抜けたぶん、ぜんたいがぎゅうと凝縮している。噛めば噛むほど真の味が湧き出るので、噛んでもまた噛んでも、さらにその次を噛みしめる気になる。
 なんとま、座持ちのよいこと。風は大立役者なのである。
引用:「買えない味」(平松洋子、85p)

 これを読んで、無性に干し野菜が作りたくなった。スーパーで生椎茸を買ってきてベランダに干す。天気のいい日が2日もあれば、売り物の干し椎茸と変わらないものができるだろう。水で戻した出汁を水餃子のスープに使い、みじん切に刻んで餃子の餡に混ぜてみた。普通に美味かった。
『買えない味』が教えてくれたのは、食器から調理器具、材料・調理にいたるまで「食卓」にかける時間と手間の「当たり前」の大事さだったと俺は思う。
 

買えない味 (ちくま文庫)

買えない味 (ちくま文庫)

  • 作者: 平松 洋子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2010/12/10
  • メディア: 文庫



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読書の日々 (荒川弘 『百姓貴族』) [読書]

 地元の丸善に本を買いに行ったら、鋼の錬金術師の最終巻が平積みで置いてあった。前半の物語の運び方や徐々に回収される伏線などは、見事で読ませる漫画という感じだったが、最後のほうはバトル漫画にありがちな昨日の敵は今日の友的展開や、正義の主人公の期待通りの勝利というご都合主義が散見するようになり個人的には興味が無くなっていった。まぁ、物語は恙無く終了したようなので、ファンとしては荒川弘先生に心から感謝したい。
 で、荒川先生のクリエータとしてのもう1つの経歴の、農業について書かれたのが『百姓貴族』である。漫画家になる前は北海道のご実家で酪農と畑作をされていたらしい。これを読むと農業の現場や食料について少し考えてしまう。例えば、生産調整という名目で廃棄される牛乳の話を読めば、「捨てるんなら俺にくれ!」と誰もが思うに違いない。本当に勿体無い。かと思えば、バター用牛乳が不足したからもっと搾れとか、全く変な話だ。
 気づいてみたら日本は豊かな国になったと思う。俺の親の世代では、刺し身や卵なんかは子供に食べさせてもらえなかったそうである。いま現実には、スーパーで1リットル900円ぐらいで売っている牛乳、一升瓶が数万する芋焼酎なんかは間の卸売や転売目的で利益を出す変な商売がまかり通っているとしか思えない。稀少価値がある商品が市場で高値をつけるのは分かるが、例えばまともなフランス料理のコースよりも高いコニャックを飲むなんてのは、自分の知り合いにそういう人間がいたら、「お前間違っているぞ!」と教えてあげたい。まぁ、俺も家族や先輩からそういうふうに教わったし。
 何か最後はグダグダな話になったが、要はモノがあまり適正な価格で流通していない現実みたいなもの、モノの価値とは違う観点でつけられている価格、消費者と生産者の間の、埋めることの難しい需要と供給の溝を身近に感じるようになり、世の中がヤバい方向に向かっているような気がしてならないということが言いたかっただけである。

百姓貴族 (WINGS COMICS)

百姓貴族 (WINGS COMICS)

  • 作者: 荒川 弘
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2009/12/11
  • メディア: コミック



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読書の日々 (城崎哲 『コースの鬼!』) [読書]

 明後日にはJRAのダートG1、ジャパンカップダートが開催される。12月の阪神競馬場ダート1800mで施行されるようになって3年目だが、国際G1なのに今年は外国招待馬が1頭もいないし、地方競馬の有力馬も出走していない。そもそも、ダート競馬がもっとも盛んな北米の競馬場は全て左回りなのに、何故右回りの阪神競馬場にしてしまったのか。また、年末の東京大賞典との日程を縮めてしまったのかもよくわからない。巷で言われているとおり、この変更は大失敗に見えてとても残念である。
 で、話は変わるが、阪神競馬場のダートコースのことをネットで調べていたら、城崎哲氏の『コースの鬼!』という本を見つけた。これはJRA・地方の競馬場のコースを徹底的に取材・調査されていて、はっきり言って名著である。
 JRAと南関のダートコースの材質、コースの特性はこの本1冊ですべてわかる。例えば、JRAのダートコースの砂は、現在はすべて青森県の六ヶ所村の海砂を使用しているそうである。俺はてっきり地元の海砂や陸砂を使っているんじゃないかと思っていたが、実際は違う。
 また、中央の4場は同じ質の砂なので、もはやコースの違いは坂や直線の長さ・幅員と、どっちに回るのかというような形状の差しかない。ちなみに大井や船橋競馬場の砂も六ヶ所村の海砂だが、大井競馬場の砂厚は7cmであり、中央の4場よりも1cmほど砂が薄い作りになっている。
 阪神のダートコースの特徴は右回りで、直線が352.5m、ゴール前に高低差1.5mのゆるい坂がある。距離が1800mという中途半端な長さでもあり、ある程度前々でポジションを取り、ゆるい坂でバテずに雪崩込める馬に有利になりそうだ。当日まではジャパンカップダートの馬柱とにらめっこしながら、予想を楽しみたいと思う。

コースの鬼!―コースの読み方&全G1レース解析編 (競馬王新書)

コースの鬼!―コースの読み方&全G1レース解析編 (競馬王新書)

  • 作者: 城崎 哲
  • 出版社/メーカー: 白夜書房
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 新書



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読書の日々 (Haruki, Murakami 『Norwegian Wood』) [読書]

 12月11日に映画『ノルウェイの森』が公開される。原作は何度も繰り返し、多分200回くらいは読んだと俺は思う。なかでも緑という登場人物が俺は大好きで、まぁ性格が明るくて料理が上手で少し変なところがキュートな女子大生。それを象徴している面白いセリフがあるのだが、なぜか手元の本棚には日本語版が見つからないので、Jay Rubinの英訳を以下に引用する。
"When I was in the sixth-form, I had to have an egg fryer -
a long, narrow pan for making this dashimaki-style fried egg
we're eating. I bought it with money I was supposed to use
for a new bra. For three months I had to live with one bra. Can
you believe it? I'd wash my bra at night, go crazy trying to dry it,
and wear it the next day. And if didn't dry right, I
had a tragedy to deal with. The saddest thing in the world is
wearing a damp bra. I'd walk around with tears pouring from
my eyes. To think I was suffering this for an egg fryer!"

(Norwegian Wood / Haruki, Murakami; 90p)

原作では主人公と緑の会話が漫才のように続く有名なシーンだが、映画ではどんなシーンになっているのか本当に楽しみである。ああ、映画見に行きたいなぁ…。
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読書の日々 (アントニオ猪木 『猪木詩集「馬鹿になれ」』) [読書]

 日曜日のジャパンカップについて一言。30分弱の長い審議のあと、ブエナビスタが2着降着で、俺が勝っていたはずの馬券は一瞬で紙くずになった。パトロールビデオを見れば明らかだがブエナビスタは斜行しているので、採決委員に文句は言えない。ただ馬券を買っていたファンの目からすれば着順が入れ替わるほどなのかなぁ、というのが素朴な疑問。結局3着入線のヴィクトワールピサも最後はタレてたし。結果論でスミヨン騎手を責める気は毛頭ないが、実力差は歴然だったので、安全策で左ステッキでもよかったかもしれない。とにかく、馬券を外したのがすごく悔しい、本当に気分が落ち込む…。
 こんな時に俺は『猪木詩集』を読むことにしている。プロレスファン歴としては、闘魂三銃士と四天王プロレスをよく見ていたので、猪木のイメージは晩年の猪木ファイナルカウントダウンとかが強い。ただ、猪木のプロレスの枠をはみ出した偉大な業績、反骨と陽気を一緒くたにした超人の振る舞いを目の当たりにして元気にならないわけがない。
 肝心の詩集の内容だが、時に稚拙に思える言葉の数々も猪木が読むから詩集になるというもので、「サンタモニカの朝に」「歩け!」「カストロのシガー」など、珠玉の猪木ポエムが文庫化されていて非常にお得な内容である。
「歩け!」

どんなに
道は険しくとも
笑いながら
歩け!

引用:『猪木詩集「馬鹿になれ」』(アントニオ猪木、38p)

たった四行の詩でも猪木が言うと、「今度こそ馬券当てるぞ!」という気になってくるから不思議だ。
幸せ気分でコモエスタ!!!

猪木詩集「馬鹿になれ」 (角川文庫)

猪木詩集「馬鹿になれ」 (角川文庫)

  • 作者: アントニオ 猪木
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/09/25
  • メディア: 文庫



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