読書の日々(上野敏彦 『闘う純米酒――神亀ひこ孫物語』) [読書]
「純米酒原理主義」の総本山として知られる神亀酒造を舞台に、7代目蔵元小川原良征を主人公とした造り酒屋のドキュメンタリーで、小川原蔵元と彼を知る人々のインタビューで構成されている。
神亀酒造といえば全量純米蔵と長期熟成を特徴とし、味わい深い日本酒を醸すブランド酒蔵として有名だ。神亀の酒はなかなか一般に流通していないので店を探すのは本当に苦労するが、「神亀純米辛口」は何も考えずに購入してしまう。特にぬる燗にすると米の味が乗ってきて本当に美味いが、勿論それなりのお値段である。
そんな神亀酒造が全量純米の造りに変えたのが1987年。20年に渡る酒造りは苦難の連続であり、それはまさに「闘う蔵元」という言葉が似つかわしい。
まず、地元の税務署からは睨まれることになる。酒税は流通したときに課税されるシステムなので、熟成期間中の在庫を多く抱えることになる神亀のやり方は国税の側からみると税収が減ることになったからだ。当時は抜き打ちの検査が月に3~4回も行われたり、税務署への酒造りの申請書類を受け入れてもらえないなどの苦痛を受けつづけ、左目が見えなくなってしまったそうである。
また真っ当な日本酒文化は稲作文化なくしては有り得ないという境地に辿り着いた小川原蔵元。蔵元は成田空港反対闘争に関わった農家を知り、その農家の作った米で酒を醸すようになり、田植えの時期には応援に駆けつけるそうである。
この情熱と行動力は同じ志をもつ蔵元達やファンの力を集めることになり、全量純米蔵を目指す会を結成し、代表幹事に就任することになる。純米酒のファンドが一口5万円で、ちょっと俺の稼ぎでは躊躇ってしまうのだが、儲けとか度外視しても小川原蔵元を応援したくなる思う今日この頃である。
神亀酒造といえば全量純米蔵と長期熟成を特徴とし、味わい深い日本酒を醸すブランド酒蔵として有名だ。神亀の酒はなかなか一般に流通していないので店を探すのは本当に苦労するが、「神亀純米辛口」は何も考えずに購入してしまう。特にぬる燗にすると米の味が乗ってきて本当に美味いが、勿論それなりのお値段である。
そんな神亀酒造が全量純米の造りに変えたのが1987年。20年に渡る酒造りは苦難の連続であり、それはまさに「闘う蔵元」という言葉が似つかわしい。
まず、地元の税務署からは睨まれることになる。酒税は流通したときに課税されるシステムなので、熟成期間中の在庫を多く抱えることになる神亀のやり方は国税の側からみると税収が減ることになったからだ。当時は抜き打ちの検査が月に3~4回も行われたり、税務署への酒造りの申請書類を受け入れてもらえないなどの苦痛を受けつづけ、左目が見えなくなってしまったそうである。
また真っ当な日本酒文化は稲作文化なくしては有り得ないという境地に辿り着いた小川原蔵元。蔵元は成田空港反対闘争に関わった農家を知り、その農家の作った米で酒を醸すようになり、田植えの時期には応援に駆けつけるそうである。
この情熱と行動力は同じ志をもつ蔵元達やファンの力を集めることになり、全量純米蔵を目指す会を結成し、代表幹事に就任することになる。純米酒のファンドが一口5万円で、ちょっと俺の稼ぎでは躊躇ってしまうのだが、儲けとか度外視しても小川原蔵元を応援したくなる思う今日この頃である。
コメント 0