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読書の日々 (洋泉社『一口馬主完全攻略読本』) [読書]

 明後日の日曜日にJRAのGⅠレース、第30回ジャパンカップが行われる。断然の一番人気は前走の天皇賞(秋)を圧勝したブエナビスタだろう。競馬を見始めて大体15年くらいになるが、その中でもベストの牝馬。抜け出すときの速さ、安定感のある走り、頑健さは牡馬で言えばテイエムオペラオーに匹敵すると個人的に思っている。そのブエナビスタだが、オークスの優勝時、口取りに草野仁氏の姿を見て驚いた人もいるのではないだろうか。そう、ブエナビスタはサンデーレーシングと言う一口馬主のクラブ法人の競走馬であり、草野氏はブエナビスタの一口馬主だったのである。
 それでは一口馬主とは何なのだろうか?
簡単に言うと、元本保証のない商品ファンドのことであり、「馬主」とはあるが馬主資格はない。出資者は愛馬会に入会し金銭を出資。愛馬会は馬主資格を持つクラブ法人と匿名組合契約を結んで現物出資し、クラブ法人は厩舎に調教委託をする。出走した馬の賞金は配当金という形で、最終的に出資者に按分される。馬主ではないので、行動は制限されており、馬主席やトレセンへの立ち入りは禁止、勝利時の口取りへの参加もクラブが定めている人数制限を超える場合は抽選になるらしい。
 肝心の支払と、儲けという関係を見ると、これはブルジョワの趣味だなぁというのが俺の感想。クラブの諸経費は、入会金と月会費、競走馬の維持費、保険料と募集口数。対する賞金は、本賞金と出走奨励金、特別出走手当、奨励賞などに分かれ、賞金から源泉徴収所得税・進上金・クラブの手数料を引いた物が配当金になる。具体的に例を挙げると、友駿ホースクラブのタップダンスシチーは口数500・3000万円の馬で、現役時の出資金は一人当たり50万円ほど。8歳まで走り、大体11億5000万円くらい稼いだので、トータルの出資者一人あたりの儲けは大体100万円。サンデーレーシングに所属するヴァーミリアンはまだ現役だが、口数40で2400万円、出資金は200万くらい。タップダンスシチーより賞金を多く稼いでいる(大体12億くらい)が一人あたりの儲けは2000万!!流石にすごい破壊力だが、200万円をドブに捨てる勇気はちょっとないな…。
 まぁ、10億超えの特Aクラスの名馬にまず出会うことはないと考えていい。本文中でも言及されているが、1000万クラスのレースの常連で、8歳くらいまで走ると儲けが出るようなものらしい。であるとすれば、はっきり言って全然儲からない。一口馬主に出資するくらいなら、馬券を勝ったほうが儲けが出る確率はずっと高いのである。
 競馬ファンであれば、馬主になり、愛馬を中央競馬で走らせたいというのが見果てぬ夢。ただ、JRAの馬主になるには様々な条件があり、その中でも年間収入が最低で1000万はないといけないわけで、こいつは庶民にはかなり厳しいハードルだ。収入にある程度余裕が出てきたら、一度は一口で馬主になった気分を味わいたいというところだろう。まずは口数が多く、出資金が少なくて済みそうなラフィアンあたりが妥当だろうか…。

一口馬主完全攻略読本 (洋泉社MOOK)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2010/04/08
  • メディア: ムック



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