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読書の日々 (新潮社『考える人 2010年秋号』) [読書]

 『考える人』は文字通り、俺にとって「考え」させてくれるような多才な連載陣によって構成されていて、読み通すのに非常に時間がかかるが、読み応えのある良い雑誌である。以下に作家を列挙してみると、
1.養老孟司
2.椎名誠
3.橋本治
4.俵万智
5.平松洋子
6.山田太一

など他にも多数あり、ここまで範囲が広く、面白い文章を書く人たちをよくもまぁ集めたものだなぁと驚嘆するほど。季刊誌なので3ヶ月おきに読むのだが、個性の強い作家に思う存分書いてもらうにはそれなりに準備が必要なんだろう。俺は特に、養老孟司の「万物流転」というコラムが好きだったのだが、今号で最終回とのこと。物事には終わりがあるものだが、1つ雑誌を読む楽しみが減ったのは何とも残念だ。今回は「革命」というテーマでお話を進めているのだが、そのテーマから脱線している文章が面白い。読むたびに俺の頭の中で「あーそういやそうだな」みたいな感じで妙に納得してしまったので以下に引用する。
最近私は、言葉はウソをつくためにあるんじゃないかと思うようになった。だって、事実と言葉は違うもので、それなら言葉ははじめからウソともいえる。
引用:『考える人 「万物流転」』(養老孟司、130p)

 この考え方を踏まえると、世間を騒がしている、アノ失言から辞任にいたるまでのすべての言葉と経緯が純度100%のブラックジョーク(笑)。何だか悪い夢の続きをみているような気がして、ますます世の中が怖くなってきた気がするのである。


考える人 2010年 11月号 [雑誌]

考える人 2010年 11月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/10/04
  • メディア: 雑誌



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